5月になると夏が近づき気温も上がってきました。室内飼いの猫ちゃんでも心配なのは水分の補給不足による脱水症状です。
猫にも水場が大好きで、流れている水道水やお風呂場のシャワーの水を濡れるのも構わず飲む子もいれば、水周りはおろかあまり置いてある容器の水もあまり飲まない子もいます。
猫は体に占める水分が50〜60%がといわれており、子猫だとさらに60〜80%といわれています。給水不足でそのうちの10%が失われると生命の危機に関わるといわれています。
愛猫がスムーズに水分補給をしてくれるにはどうすればよいでしょうか。また、なかなか水を飲んでくれない場合はどうしたらよいでしょうか。
今回は猫の水分補給事情について調べてきたのでご紹介いたします。
猫の一日に必要な水分量は?
猫の一日に必要な水分量はDER(水分要求量)で計算ができます。
一日の必要エネルギー量とほぼ同じとされており、猫の必要な水分量は下記の計算式で算出できます。
必要な水分量=1.2×70×(体重)の0.75乗
体重の0.75乗といってもわかりづらいと思いますのでおおよその目安としては体重1kgあたり50mlだと考えてください。
4kgの猫の必要な水分量は約200ml。
5kgの猫なら必要な水分量は約250mlです。
なぜ猫はあまり水を飲みたがらからないの?
これは個体差があるのでもちろん水を良く飲む子もいるのですが、よくいわれている説としては猫の祖先は砂漠で暮らしていたので渇きに強くあまり水を飲まない説です。
猫のよくかかる病気として尿路結石や膀胱炎など、水分量の不足で老廃物を出せていないのが原因だと思われているものがあるので一理あるのかも知れません。しかし実際は猫の生活習慣に起因することが多いと思います。
子猫時代から水を飲む習慣がついている、家の中に水分を補給するポイントが複数あることなどはとても大事なことです。
ウチの猫はよく水を飲むのだけれども体に良い?
実は猫が水を良く飲み過ぎるのも良くない可能性があります。
明らかに以前より水を良く飲むようになった時などは、腎臓系の疾患か子宮蓄膿症などの恐れがあります。
明らかに水分量が変化していると感じたら、すぐに動物病院に受診に行きましょう。
また普段から愛猫がどれくらい水を飲んでいるかを意識してあげましょう。できれば記録してあげるといいですね。
猫が水を飲まない時の対処方法は?
①まずは猫の水場を増やしてあげましょう。水の入った容器や洗面器などを猫が立ち寄る部屋ゆ廊下などに増やしてあげます。
また、清潔なお水があるように最低でも一日1回は取り替えてあげましょう。
②温度を変えてあげる
容器に入れる水の温度をぬるま湯にしてあげたり、暑い日は氷を入れてあげたりして工夫してみましょう。ニャンコのお気に入りの温度があるかもしれません。
③ウェットフードやチュールタイプのフードをあげる
ウェットフードやチュールには水分が多く含まれているので、ドライフードから替えてあげるだけでも水分補給量は上がります。
夏場だけでなく冬場の乾燥時期もあげてみてください。
④水やり器や自動給水器
留守の時にも新鮮な水が飲める水やり器や自動給水器もおすすめです。
水道の蛇口からの流水が好きな猫もいるので、流れてくる水に興味を持って水を飲んでくれるかもしれません。
猫にミネラルウォーターや経口補水液は禁止?
人間の脱水症状にはポカリスエットなどのスポーツドリンクやミネラルウォーター、経口補水液がいいといわれていますが、猫ちゃんにはあげてもよいのでしょうか?
スポーツドリンクには糖分が多く含まれているので猫ちゃんにはおすすめできません。
経口補水液には電解質といわれるイオンが含まれており、細胞の浸透圧を調整してくれます。しかし、人間用の経口補水液ですと猫のバランスにあっていないのと塩分過多になるのでこちらも猫ちゃんにはあげないようにしましょう。
ミネラルウォーターもマグネシウムの含有量が多いものだと尿路結石の原因になります。
結局のところ普通の水道水が一番無難だといえます。
猫用の経口補水液がある!?
動物病院などでは猫用の経口補水液も販売されています。パウダータイプのものが多く水に溶かして使用します。
ネットでも販売されているので、特に老猫のいる家などは夏前に購入しておくのも良いと思います。